国東半島

国東半島アートプロジェクト

念のため、私は天皇のために命を捧げることはできないし、
太平洋戦争の悲劇に天皇は無関係とは考えていないし、
天皇は現人神だということには疑問を持っている。
とはいえ、
天皇という制度は不思議で興味が尽きない。八百万の神の話とあわせて、日本というクニを表している象徴なんだと思う。
日本の「神」とは「すごい人」が神になる資格があるものと考えられていて
すごいとは「すごい怨念を持った人」とか「凄い人」とか、そいういう人が死後に「神」という地位に就くと(勝手に)思っている。

天皇家の始まりは神武天皇であるということになっている。実際この神武天皇がいたのかどうかとか、神武天皇の亡くなった年齢とかとてもとても気が遠くなる話ではある。そして、その話は「文字」として著されたのは死後何年たっているんだろうか・・・。いや、生まれていないから死んでいないということなのか?
ともあれ、神武天皇陵っていうのがある。
橿原神宮は神武天皇を祭っている神社だ。
http://inoues.net/tenno/kashijinguu.html
もっとも、神武天皇陵を定めたのは
幕末の文久3年(1863)
ここで気になるのは
そもそも、今陵墓といわれるものは一体何なのか?ということだ。
その点、
御寺泉涌寺の月輪御陵は誰が祭られているかははっきりしている。
(しかも、このお寺はなんともセンスがいい、巨大御陵を作るお金がなかってってのも理由なんだろうけど、今知る、皇室関係の「センスの良さ」を知るにはこのお寺が一番かもしれない。大事なことは天皇家がすごいのか、天皇家の周囲にいる人がすごいのかは分からない。けど、この寺の圧倒的な「美」にびっくりしない人はいないのではないか?)
この陵に一番初めに祀られたのは「四条天皇」これまた不思議このうえない。
後水尾天皇から後桃園天皇までが月輪御陵、光格天皇・仁孝天皇・孝明天皇が後月輪陵、孝明天皇が後月輪東山陵(どれも泉涌寺内)、明治天皇が桃山御陵(明治天皇陵の近くには
桓武天皇陵があるのがなんとも)

月輪御陵

実はこれより前に
深草十二帝陵というのがある。
深草北陵

深草北陵


その存在が(私にとって)確実なのは
明治天皇の陵である「
桃山御陵

桃山御陵

実はここがすごいのは、この御陵を背にした風景である。
「あっ」と思うことは間違いない。
(お恥ずかしながら、明治天皇陵は明治神宮だと思い込んでいた。神社っていうのはお墓じゃないわけで、祀っている場所であり、お参りをする場所ではないわけだ)

もちろん、気になる天皇陵No1は
天皇の祟りとして最も怖れられた、
崇徳天皇
天皇陵が四国にある。東京オリンピックが無事開催できるように昭和天皇が勅使を送ったという話がある。

崇徳天皇陵


そして、東京に住むモノとして意外に近いところにある。

多摩陵武蔵野陵

大正天皇陵の多摩陵、昭和天皇陵の武蔵野陵、実は皇后の陵も隣にある。
この二つは隣り合ってあって、なるほど、近代・現代というのはこういうことかということを伝えてくれる。

他に、気になった天皇陵としては

継体天皇陵
天智天皇陵

この2つは2012年に詣でた。
(もっとも、継体天皇陵は宮内庁の指定している陵ではなく、今城塚古墳に詣でることにした)

他に訪れた天皇陵ってのは開化天皇陵(奈良に3年間住んでいたから)

開化天皇陵


仁徳天皇陵(やっぱり歴史で聞いていたから、天皇陵の隣にラブホテルがあるのにはびっくり・・・)

仁徳天皇陵


ちなみに、山陰、九州、東北には天皇陵はないことになっているけど、皇室関係の「墓」ということでは山形から鹿児島まで458箇所あるそうだ。


なるほど、天皇陵についての参考図書を見つけた