シアターコクーン

ヘッダ・ガブラー

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イプセンだから観た。
水野美紀だから観た。
10年ぶりくらいに「ユキノさん」っぽい水野美紀を観ることができた。
ランチキで池田成志と段田安則がテレコだったり、水野美紀と寺島しのぶがテレコだったら又楽しめそうな。
要するに内容というより、役者を楽しむ舞台なんだろう。
名前は全然覚えれない。

百鬼オペラ「羅生門」


http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_rashomon.html

シアターコクーンで飛ぶ女優というと
吉高由里子
成海璃子
そして
ついに「満島ひかり」まで・・・
堀プロの「宙づり」というと元祖は「榊原郁恵」なのかもしれないけど。

舞台の作りが「綺麗」
芥川龍之介の本を読んでいるのかどうか
黒澤明の「羅生門」を知っているのか
「検非違使」とか知っているのか

蜘蛛の糸を吊り下げる満島ひかりがいたのは「睡蓮」で「蓮」じゃないところとか、細かいところが気になるのはいやらしい。
で、大満足。

オペラにしては「音楽」がバラバラ(でもいい生演奏)
オペラだけに「始まりはバレエ」(って、パリかここは?みたいな)
幕があると舞台って感じ(だけど、2幕だとフツウの演劇っぽい)

プレイヤー

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なんといっても、写真が「SCALA」で撮られているのがすごい。
(白黒リバーサルフィルム)
話自体は、
劇中劇で、
そこに「瞑想サークル」
不完全なシナリオ
役者がエチュード形式で作り上げていくということでもなく、
ときどき演出家に作家が憑依したかのような、
「ふ」と追加されたエンディング。
前川ワールド前回にもならず、
かといって、長塚ワールドでもなく、
双方が遠慮しあっているかのような感じになっている。
(と私はついついて毒づいてしまう)


陥没

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「陥没」であることは何ら明示されなかった。
ケラワールド満開でありながら、
話の表層は明るいコミカルなもの。
元ネタは「夏の夜の夢」なのか、
「天国から来たチャンピオン」
「素敵な金縛り」



贅沢な役者陣に、贅沢な舞台、
贅沢な観客
3時間20分の長編演劇

「グッドバイ」(小池栄子だけですけど)
「奇っ怪遠野物語」(山内圭哉と瀬戸康史)
「タレントとマネージャー」は(虹とマーブル)
「ブロッケンの妖怪」(生瀬勝久と高橋恵子)
がぐちゃってなった感じだけど、
ケラ色が強くて。

家族の基礎〜大道寺家の人々〜

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まるで「ガープの世界」を見ているような、
といいつつ、今まで見た「倉持裕」作品が散りばめられて、
なるほど、シアターコクーンはそういう思い入れのでる場所なのかもしれない。
(おぼんろの座長がシアターコクーンを目指していますと言っていた、今回、倉持裕はコクーン初登場ということで)
鈴木京香は「鼬」もすごかったけど、今回もすごい。
そして「夏帆」が見事。
エンディングにはホロリと・・・。
3時間50分の大作。
満喫した。

ETERNAL CHIKAMATSU

eternal chikamatsu

流石、谷賢一。と思わせるところと、これでいいのか?というのがあった。シアターコクーンってのは、なんとも見晴らしの悪い劇場だ。うっかり観劇前に「日経新聞」の記事を読んでしまった。あまり劇評ってのはアテにならないことが多いのだけれど、これは賛同できることがあった。

2つの時間を結びつける演劇ってのは、もっと小さな劇場でやるか、あの大きさなら、あの大きさの舞台装置をそれなりに作ってくれないとなんか「ついていけない」感があるってことがわかった。

アテルイを「歌舞伎役者」によって新橋演舞場で上演したときには、「中村七之助じゃなくて、稲森いずみだったらよかったのに」と思わずおもったが、先週は新橋演舞場で「稲森いずみ」が、今週はコクーンで「七之助」。なんかそんな巡り合わせのようだ。
最後のシーンで、フと思い出したのは「豊穣の海」。先週観た、「乱れ鶯」では「無法松の一生」を思い出した。パクリとかそういうことではなくて、そういう連想とか、想起とか、そういうことができることが大事なんだと思う。立ち見席も一杯なのは納得。

あと、深津絵里は休憩20分以外は全部舞台に出っぱなし。
この手法は・・・「長塚圭史」がよくやっていた「演出」だった。
しかも、劇中劇があってその劇を舞台上の役者が観ているってのは本当に不思議だ。いや、一人は劇作者が舞台上にいるわけで。

ひょっとすると、客席中央で観たらこの時代をいったりきたりは、別の見え方があったんじゃなかろうか。そうそう何度も見るわけにもいかないから。

そういえば、シアターコクーンに行くときには雨の日が多い。雨は舞台に似合うけど、なかなか演出で使うのは難しいはずだけど。

大逆走

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豪華なメンバー
豪華な舞台
豪華な劇場
でもとても残念な・・・。

吉高由里子の初舞台であることがなければ怒っちゃったかもしれない。
台詞の戯れは「この世は意味がないこと」を象徴しているんだろうけど、そりゃそうだ。
そこをお金払って意味を求めて劇場に来ているので。
大駱駝艦
バレリーナ
バレエ曲
歌舞伎
色々つかっちゃみるけど板につかず、
大駱駝艦のお二人はやっぱり圧倒的な型を見せてくれてそれはそれで楽しかったが、
それは舞台というよりは「舞台装置」としてのもので、別途拝見させていただきたい気分だ。
ワイヤーアクションで吉高由里子を飛ばしてみたけれど、
ファンにはうれしかろうが、別にだからどうした。

満員の客席、10000円のチケット代金
3時間の舞台

大倉孝二・池田成志・北村一輝
峯村リエ・・・・
いい役者に支えられて、いや、役者目当てなら「大満足」だけど、脚本が・・・。
(役者・舞台演出がどんなによくても、脚本がこれだとどうにもならない)
昨年の「殺風景」がよかっただけに、なんともいえない怒りに近い残念感が強い。
駅前劇場でやったら大喝采なんだけど、

終わって思ったことは、「アルマイトの弁当箱」が欲しくなったこと。
午前中は「コーヒー」午後は炭酸
吉高由里子の初舞台を見られたことに満足(上手い下手とかそんなことどうでもよくて、「生」吉高であることに意味がある)
あとは気になることばかりで。
あと、隣の人の前のめりがとても残念な視界阻害行為(私は「カクタ」と呼んでいる)も。

殺風景

sappukei
シアターコクーンは25年・・・・。
初めてBunkamuraに行ったのは
バイロイト引っ越し公演「タンホイザー」だった。
で、
この赤堀雅秋
役者として何度となく見ていた気がする。
今回の芝居は
MIWAを思い出すやら、人生劇場を思い出すやら、シダの群れを思い出すやら。
江口のり子がいい女に見えてくるようではかなりのすご技ということなのか、
私が弱ってきたのか。
こんな(素晴らしい)劇場が25年存続していることに拍手。

かもめ

「ケラリーノ・サンドロビッチ」による「チェーホフ4部作」第一弾「かもめ」
http://www.siscompany.com/kamome/index.htm

生田斗真・蒼井優も好演。
大竹しのぶの迫力にはびっくり。
実は、終わるまでケラ演出ということを気がついていなかった私。
ケラの芝居は日本モノでもロシアっぽいから。そんなもんなわけで。
4
幕の喜劇ということらしいが、こんな悲劇を喜劇と言い切る皮肉もすごいし、
最後のシーンで、ローエングリンの前奏曲が・・・。あれはなんで?

ポスター・チラシの映像がないのがなんとも奇異。

盲導犬

盲導犬・りえのハーネス姿にしびれた。
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あかいくらやみ

「あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜」 
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami.html
akaikurayami
長塚圭史の時代劇、7年ぶりだそうで、そうなると前回見たのは「桜飛沫」ということなんだろう。
水野美紀・真木よう子が似た風貌だなぁと思って見ていたのを思い出す。
水戸というと納豆・梅・水戸芸術館・筑波山・・・
そうそう、徳川慶喜は水戸徳川だったかな・・・。
というところでこの物語は関係してくる。
丁度見に行く前の「ボクたちの時代」で白石加世子が南果歩に「かよちゃん」と呼ばれ、すごい迫力のある女優だと感心していたところ
すごい役で登場した。
そして、原田夏希が綺麗でよかった。
物語はなかなか・・・原作を一度さらったおかねばならない。
そして、史実も。

長塚圭史の作品は???
ということが実はままあったが、
「浮標」(藤谷美紀が綺麗だった)
「南部高速道路」(真木よう子・黒沢あすかがすごかった)
に次いでの3連続の◎。

原作・作・演出・出演
この4つをこなすってのはやっぱり限界があるのではないか?
原作があるものを舞台化する才能はすごいんだなぁと感心。
で、例によって舞台はとても綺麗。
この綺麗な舞台ってのはそうそうできるものではなくて、ついつい「かきわり」歌舞伎調なものになりがちな日本の舞台で気持ちいい。

原作は「魔群の通過 天狗党叙事詩」山田風太郎(ちくま文庫)

祈りと怪物

シアターコクーン
ケラ演出版と蜷川演出版がある
4時間10分の一大巨編
夏帆の体当たり演技にグッときた
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_inorininagawa.html

天日坊

コクーン歌舞伎
初めて見た。
歌舞伎そのものは3回くらい見にいった。
「元禄忠臣蔵」
「野田版鼠小僧」

「大江戸りびんぐでっど」
で、私にとっての最高傑作はやっぱり「大江戸りびんぐでっど」で、今回見たのは、そう、宮藤官九郎が脚本を担当しているから。

やっぱり歌舞伎。
2
週前には「TheBee」の75分芝居を見ただけに、3時間20分の長編はやっぱり疲れた。
「俺は誰だ」
これはまさに、私も自問自答している。よく、他人にも「あなたは何者なんですか?」みたいな質問をされることがある。一体、私をどう見ているのか、じっくりお伺いしたいけど、本気で話をしてくれることはないんだろうし、そこまで見てくれている人もいないだろうと思う。

で、井上歌舞伎と比べちゃ失礼なんだろうけど、
やっぱり比べてしまう。
歌舞伎役者は「タメ」が巧い。
トランペットの生音でないのは残念(PA使っているんですね。当たり前ではあるけど)

で、やっぱり、女優が出ている芝居がいいやという結論。
(もちろん、充分な満足はしている)
しかし、この演目は明治時代以来、上演されていなかった。なんでなんだろう。かなり良かった。どうやらオリジナルの脚本はかなり複雑怪奇になっていたようで、今回「いい」と思ったのは現代風アレンジによるものなんだろう。

シダの群れ—純情巡礼編—

シダの群れ―純情巡礼編―
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_shida/index.html

2010年に第一弾があって
あらかたの人は死んでしまった筈なんだけど・・・。
そっか、続編ということである。

堤真一と松雪泰子という組み合わせは「ガリレオ―容疑者Xの献身」を思い出してしまう。もちろん、あの薄幸そうな松雪泰子にぐっと来たわけだけど、今回は「岩松了ワールド」を堪能しにシアターコクーンに戻ってきたそんな感じだ。
シアターコクーンは改装していて、ここで芝居を見るのは久しぶりな感じ。パルコ劇場とも下北沢の劇場とも、新国立劇場とも違う雰囲気がある。ちょっと似ているのはシアタークリエなのかもしれない。特に、今回は「獣匂」の香水があちこりに・・・。そんな観劇は初めてだ(年齢を重ねた女子が多いということなんだと勝手に想像している)。

今回の芝居だけでも楽しめるっていうことがどこかに書いてあった気がするけど、第1回を知らないと重要なことが見えなくなってしまうそんな感じがする。
第三話があるとすると、風間杜夫が車椅子で出てくる、阿部サダヲがでっかくなって出てくる、荒川良々が片手ないか何かで出てくるあたりから、堤真一と松雪泰子を巡る色恋沙汰と小池徹平の愛情の裏返しの敵討ちみたいな・・・。それは楽しみだ。なんか、そういう大河ドラマチックなものに惹かれるのが人生ってことなのかもしれない。

ヤクザ映画ってのはゴッドファーザーくらいしか見たことなくて、たまたま、鷹の台駅前の本屋で「アナーキー日本映画史1959-1979」(洋泉社MOOK)を見てびっくりした。東映実録映画、松方弘樹の話を見て俄然興味が沸いてきた。なるほど、シェークスピア劇のような「嫉妬」と「裏切り」を表現する世界として歴史があるんだということがわかってきた。

あきらかに第3話を意識したかのエンディング。
しかし、この人の描く女というのは、なんか面倒な感じがキャラクターだ。

劇中に役者役で登場した役者荒川良々はでかいなぁと感心。