風間杜夫

熱海殺人事件

「うん、いい火加減だ」
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死と乙女


なんでこの舞台を見たのか
「カズオ・イシグロ」なる作家が気になったから。
安田成美が見たかったから。

演劇史に残る名作ということばにダマされて見てしまった。
シナリオ・役者についてはこんなもんなんだろうと思う。
大空祐飛という女優は初めて見たけど、最後列から2番目でもカッコイイのが分かった。
(シアタークリエはそういう方のやる劇場なんだってことも分かった)
豊原功補も迫力があった。
風間杜夫はやっぱり流石だ。いい役もらったなとつくづく感心する。

そして、演出の「谷賢一」
彼の持っている全ての技を出し切った感がある。

暗転シーンの使いどころ(休憩が適度なタイミングで)
幕が下りてからの芝居どころ(客席扉から客席を通って・・・)
音楽の使い方(逆に使っていない)
PAの使い方(あまり使っていないけど、意外なところで横から音が出てきたりする)


次にやるときに「どんな技」を見せるのか。
ちょっと大変だろう。

シューベルトは「問題のあるレストラン」で「どうだ」というくらいいいシーンを作っていたが、
こんな壮絶なものがたりに使われるとは。
ちょっとシューベルトに対する印象が変わってしまった。
shitootome

シダの群れ—純情巡礼編—

シダの群れ―純情巡礼編―
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_shida/index.html

2010年に第一弾があって
あらかたの人は死んでしまった筈なんだけど・・・。
そっか、続編ということである。

堤真一と松雪泰子という組み合わせは「ガリレオ―容疑者Xの献身」を思い出してしまう。もちろん、あの薄幸そうな松雪泰子にぐっと来たわけだけど、今回は「岩松了ワールド」を堪能しにシアターコクーンに戻ってきたそんな感じだ。
シアターコクーンは改装していて、ここで芝居を見るのは久しぶりな感じ。パルコ劇場とも下北沢の劇場とも、新国立劇場とも違う雰囲気がある。ちょっと似ているのはシアタークリエなのかもしれない。特に、今回は「獣匂」の香水があちこりに・・・。そんな観劇は初めてだ(年齢を重ねた女子が多いということなんだと勝手に想像している)。

今回の芝居だけでも楽しめるっていうことがどこかに書いてあった気がするけど、第1回を知らないと重要なことが見えなくなってしまうそんな感じがする。
第三話があるとすると、風間杜夫が車椅子で出てくる、阿部サダヲがでっかくなって出てくる、荒川良々が片手ないか何かで出てくるあたりから、堤真一と松雪泰子を巡る色恋沙汰と小池徹平の愛情の裏返しの敵討ちみたいな・・・。それは楽しみだ。なんか、そういう大河ドラマチックなものに惹かれるのが人生ってことなのかもしれない。

ヤクザ映画ってのはゴッドファーザーくらいしか見たことなくて、たまたま、鷹の台駅前の本屋で「アナーキー日本映画史1959-1979」(洋泉社MOOK)を見てびっくりした。東映実録映画、松方弘樹の話を見て俄然興味が沸いてきた。なるほど、シェークスピア劇のような「嫉妬」と「裏切り」を表現する世界として歴史があるんだということがわかってきた。

あきらかに第3話を意識したかのエンディング。
しかし、この人の描く女というのは、なんか面倒な感じがキャラクターだ。

劇中に役者役で登場した役者荒川良々はでかいなぁと感心。