MAKOTO
王将三部作を見られなかったから、
久しぶりの長塚作品ということになる。
いつの間にか、
阿佐ヶ谷スパイダースは「劇団」となって
劇団員には「中村まこと」「村岡希美」「富岡晃一郎」が入っている
どうやら、劇団、劇団員増殖計画というのが演劇業界でブームなんだろう
http://asagayaspiders.com/member.html
劇団が大きくなると
「プレトーク」
「バックステージツアー」
とかちょっとしたサービスができるようになるのは「◎」だ。
バックステージツアー本編を忘れるほどよかった。
で、本編は。
南部高速道路みたいな、赤堀雅明ワールドみたいな、
「散歩する侵略者」(イキウメ)「田園にくちづけ」(ブルドッキングヘッドロック)を思い出した。
でグルリとまわって「完」という感じ。
プレイヤー
はたらくおとこ
阿佐ヶ谷スパイダース
初めてみたのは「桜飛沫」だったと思う
水野美紀と真木よう子が出ていた時代劇。
まだ「激しかった頃」の長塚圭史
10年ぶりの再演とのこと
見ている人の多くは「10年」という月日で変わった。
演劇の持っている怖さを超えた恐怖と向き合っている。
今、私たちが求めている演劇とは「笑い」「救い」であるのかもしれない。
時代を超えた演劇もある一方で、見る側を選ぶ、見る側の心の問題を整理してから臨む必要のある、
そういうテーマがあることを知った。
とはいえ、
「許す」
この一言のための2時間20分
「いい火加減だ」に次ぐ名作だ
そして、
トラックの突っ込むシーン、そして、タイムスリップ、
・
・
・
浮標
葛河思潮社はこれで4回目。
実は「浮標」の再演は見ていない。
再々演で見にいくことにした。
これほどの名作が「1940年」
に作られていたとはすごい。
実は、前回みたときと印象はかなり変わっている。
田中哲司が喋りまくっていたような気がしたけど、実は思ったより喋っていない。
(充分喋っているけど)
主演女優が輝くのは第二幕からだった。
(藤谷美紀に惚れたのは2011年1月、松雪泰子は違うなと再演は見なかった)
長塚圭史がいい演技をしていた。
(前は、なんか、演出に徹したらと思った)
砂場の周り
(他の役者が一部、見ているのはなんでなのか、今回は、あまり不思議な気分にならなかった)
うるわしのソレント
(前回、水着姿の女優が出ていた記憶がないんだけど、あのシーンはエロかった)
で、また見たいそんな舞台。
そして、
万葉集を読みたくなった。
絶叫で終わる芝居というと「新国劇」「東京セレソン」
の十八番と思っていたのは勘違いだった。
ツインズ
何故買ったのか、理由はわからない。
http://www.parco-play.com/web/program/twins/
正直、残念ながら、木曜日にみた「TUSK TUSK」に圧倒的に負けている。
演劇は「この世にないこと」を演じられることが魅力なのに、
現実が芝居を超えている。それを隠した分だけ曖昧に、そしてそのテーマは演じる必要がないのではないのか?(日本では)
「渚にて」と「2001年宇宙の旅」を足したような、
そして、遺産相続話は「犬神家」なのか?
家政婦も出てきて、
要素は揃ったみたいな・・・。
斬新なところは
「Life」で「食べる側と食べられる側では食べられる側が実は勝者ではないか」
という一節があった、それを熱く語る「吉田剛太郎」の独白シーンはかなりグッときた。
あと、
コーヒー
ボンゴレビアンコのパスタ
パエリア
食べ物の香りがする芝居「おにぎりの『断食』以来」かな・・・
鼬
鈴木京香の芝居を初めて見た。
この芝居の初演が昭和年というのはおどろきだ。
そして、
日本の家がなんと暗いことか。
そしてたかだか100年とかを伝統とか呼ぶ、
先祖様の祟り、罰当たりなどという名の下に様々な可能性を縛り付けていたのか、
そして、人道とかそういうこと関係なく、
しかそ、お金というものを軸に人がここまで動いてしまう。
夏目漱石の本でも「人」を金の価値で計るみたいな描写があるが、
舞台を一杯一杯に使っている「がらんどう」な空間がいい。
照明は絶妙。
日本家屋の暗いところが見事に描写されている。
「家」という嫌らしいところを「江口のりこ」「鈴木京香」「高橋克実」と「白石加代子」
の関係を描くことで見事な2時間半の芝居となった。
闇の使い方が巧いのは「舞台」としては当然なのか。
柱を効果的に使っているのも印象的であの柱が動くと「イキウメ」になってしまう。
経済劇+家ということを描いた点では「トーキョー・スラム・エンジェルス」に通じるものがある。
物語の作りとか諸々見ると、真船豊なる作家のすごさがひしひしと伝わってくる。
最高の山場は、鈴木京香と白石加代子の2人のシーン、鈴木京香のめまぐるしい表情の変化。素晴らしい。
高橋克実が「ダメな人」役で、「新感線でゴダイゴ天皇役」をやっていたあの迫力がないのが「見事」な裏切り。
裏切ってくれるというのも舞台の醍醐味だということを教えてもらった。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/12/post_376.html
背信
あかいくらやみ
「あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜」
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami.html
長塚圭史の時代劇、7年ぶりだそうで、そうなると前回見たのは「桜飛沫」ということなんだろう。
水野美紀・真木よう子が似た風貌だなぁと思って見ていたのを思い出す。
水戸というと納豆・梅・水戸芸術館・筑波山・・・
そうそう、徳川慶喜は水戸徳川だったかな・・・。
というところでこの物語は関係してくる。
丁度見に行く前の「ボクたちの時代」で白石加世子が南果歩に「かよちゃん」と呼ばれ、すごい迫力のある女優だと感心していたところ
すごい役で登場した。
そして、原田夏希が綺麗でよかった。
物語はなかなか・・・原作を一度さらったおかねばならない。
そして、史実も。
長塚圭史の作品は???
ということが実はままあったが、
「浮標」(藤谷美紀が綺麗だった)
「南部高速道路」(真木よう子・黒沢あすかがすごかった)
に次いでの3連続の◎。
原作・作・演出・出演
この4つをこなすってのはやっぱり限界があるのではないか?
原作があるものを舞台化する才能はすごいんだなぁと感心。
で、例によって舞台はとても綺麗。
この綺麗な舞台ってのはそうそうできるものではなくて、ついつい「かきわり」歌舞伎調なものになりがちな日本の舞台で気持ちいい。
原作は「魔群の通過 天狗党叙事詩」山田風太郎(ちくま文庫)
南部高速道路
黒沢あすか・・・どこかで見たことがあると思ったら「冷たい熱帯魚」のでんでんの奥さん役だ・・・。そっか、迫力あるわけだ。
小林勝也、この役者さんは何度か見ていて、昨年末に「山崎美貴」の芝居見たさに出かけた雑遊の主宰だった。その芝居を知ったのは新国立劇場でやった「天守物語」の謎の仙人役だった。やっぱりこの人の爆発力はすごいものがあった。
江口のり子は、ま、やっぱり江口のり子なわけで、そういえば、週刊真木よう子で共演していたのを今思い出した。
不思議なことが沢山あるけど、プログラムも袋とじだらけで未だに開いて読めない(笑)。
劇場を出ると「不条理劇場II」をやった永野宗典がまさに「劇野郎が帰る」ところだった。
長塚圭史の芝居ではよく役者が舞台袖で見ているなんていうのが多いけど、
ついに、観客が舞台に上がっちゃったというか、上手、下手には客席が2列。
私は東側で観劇となった。
なるほど。なんとなくその秘密が分かってきたきがする。
もっとも、
1年間も高速道路に閉じ込められてしまうという不条理状態・・・。
当然、3.11を思い出してしまい、なんともやるせない状況になる。
結構早い段階でその様を楽しむようになっているのが救いなんだけど、やっぱり徹底して楽しんで見られない自分がいる。ここがやっぱり難しさなんだと感じた。
超越した物語とそうでない物語が私の中に存在している。
満足いく不条理劇に出会えたそんな気分に浸って、サンライズ瀬戸に乗って香川県に向かっている。
テキサス
作:長塚圭史
演出:河原雅彦
出演:星野 源、木南晴夏、野波麻帆、岡田義徳、福田転球、政岡泰志、伊達 暁、吉本菜穂子、山岸門人/湯澤幸一郎、河原雅彦/高橋和也、松澤一之
なんかそうそうたるメンバーが出ていて、個々の出演者はとてもいい感じ。
前日に見た芝居が濃かったってこともあって、今日はちょっと薄れてしまった感がある。
ともあれ、動物電気の政岡泰志は服を脱いでいるからってことだけではなく、存在感が多きい。その割には物語の重要な役割はなかったような。福田転球は、さすが関西の最終兵器といわれるだけに(誰が言っているかはしらない)最後に見事なオチを見せてくれた。なんとなくそんな予感もあったんだけど、流石。
伊達暁はやっぱり、政岡泰志が脱いじゃったから脱ぐタイミングを逸したのか?そこはポイントじゃないんだろうけど。そして、山岸門人は良い役もらったなぁ。あの不気味さは鹿殺しで鍛えたものが見事に開花したかんじがする。
吉本菜穂子、基本的に彼女のやる役のような女は嫌いで(笑)その嫌いな女を見事に演じているということでやっぱり凄い女優なんだと思う。本谷有希子が大事にするのも分かる気がする。
高橋和也、実はこの人はよくわからない。すごい存在感と、物語進行上とても重要な役割を担っていた。あの濃い顔、整形をしていない、闘鶏のライバル、そして・・・。ジャニーズ(男闘鼓組のメンバー)だったらしいんだけど、いやはや、すごい。6児の父ってところでも尊敬してしまう。
松澤一之は予想通り、岡田義徳も予想の範囲、野波麻帆はなるほど。いい役だけどそれだけか?
125分の舞台はあっというまというほどあっさり進むものではないけど、それなりのテンポで楽しめるのかもしれないけど、実は終演後「どんより」感があまりに強い。日曜日に見る(べき)芝居ではなかった・・・。
ただ、これだけ一人一人の役者がしっかりしていると見ていて楽しい。
10年前の作品の再演らしいんだけど、やっぱり2011.3.11以降に見るべき、やるべき芝居なのかどうかというところでちょっと残念な感じ。
ともあれ、お気に入りの役者さんが沢山いたことと、女優目当ての私としては「木南晴夏」という女優を発見したことで収穫ありということとする。
この感じ・・・。
モーリー・スウィーニーの翌日にベッジパードンを見たあのときと同じかもしれない。
(谷賢一がすごいってことなんだろう)