ナイロン100℃

睾丸

Pasted Graphic 2
なかなかすごいタイトル
内容は案外フツウ
と思っていたら、
どんどんすごいことが出てきて、
お前「きんたまついてんのか」
っていうようなことから、
最後に廣川三憲が見事な「二面」を見せて・・・
そこで終わらないのが流石。
ここに喜安浩平が生きてくる。
と、
ナイロンらしい終わり方で、大満足。

100年の秘密

100nennohimitsu
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon38th.html

こんな名作だったっけ。
初回も観た筈なんだけど、こんな名作を覚えていないなんて(^_^)
役者の腕が上がったんだろう、っていうことにしておく。
で、実は何気に100年を語る上で、廣川三憲、松永玲子はすごい役をこなしている。

ちょっと待ってください

http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon44th.html

ここのところ、ケラ作品にはあまり当たりに恵まれていないような気がする。
これをわかってくれとはおもっていないようなので、安心したけど、
不条理劇ってこんなことを言うのか、少し不安になってくる。
とはいえ、
水野美紀は美しく、気高く乞食役を見事なまでに演じきってくれた。

消失

初演は10年ほど前だということに驚いた。
時代(現実)が脚本に近づいている。
もちろん、脚本は狂気の沙汰なワケで。
ちょっと立ち直れないほどの衝撃を受ける「名作」だ。
ただ、この芝居が「熱海殺人事件」みたいに10回も20回も上演されることはないのはわかる。
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社長吸血記

大きい芝居を作れる人は日本には「野田秀樹」「中屋敷法仁」しかいないのかと思っていたが(あ、前川知大もいた)、
ケラリーノ・サンドロヴィッチがナイロン100℃「2年ぶりの新作」
見事すぎた。
(欧米の翻訳劇がすごいなと思うのは、そういう「大きなこと」をテーマにできることで関心を持つようになった)
一人二役があったり、何人かで一役を演じたり、
事業者と創業者と管理職と経営者とケツ持ちと・・・。
男と女と、西と東。
被害者と分かっていて寄り添う人。闘う人。
ダマしているのか、何かを与えているのか、やるせない麻痺していく従業員。
今年の最高傑作になりそうな予感。
「おい、キミ失格!」「ビルのゲーツ」に並ぶ現代風刺激の大作。

妹役の鈴木杏と警備員さん喜安浩平が大事なところを持って行った。
山内圭哉も久しぶりに見た。頑張った。

syatyounokyuuketsuki

わが闇

2007年に観た(はず)の芝居の再演
多分、出演者は全く同じ。
脚本もほぼ同じ。
セットもほぼ同じ。
出演者・演出者が6才、歳としとった。
そんなことなのか。
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon40th.html
wagayami
なんといっても昔、坂井真紀目当てで行ったわけだけど、
この芝居を見て以来「演劇」にはまったのは間違いない。
つまり、女優目当てから芝居目当てに・・・。
今回やっぱり、三宅弘城、三好未完役が圧倒していたのは、
鎌塚氏シリーズのなせる技なんだと思う。
あんなにどなりまくる芝居だとは記憶していなかったけど、
前から2列目だと流石にすごい。

デカメロン21〜或いは、男性の好きなスポーツ外伝〜

結成20周年記念講演第一弾
ナイロン100℃ 39th session
「デカメロン21 〜或いは、男性の好きなスポーツ外伝〜」


最近私の中では「ソビエト」ブームなんだけど、ケラリーノ・サンドロビッチと名乗るだけあって、
ショスタコーヴィチのジャズ組曲第二番
プロムナード・オーケストラのための第6曲:第2ワルツ
が頻繁に使われていた。

エロいと片付けるわけにはいかない何かがここにある
望月綾乃がやっぱりいい。

100年の秘密

ナイロン100℃ 38th session
休憩時間を入れて3時間25分の対策。
基本的にケラさんの作品は長時間になるわけだけど、やっぱりこれも長かった。

この芝居の驚いたところは3つ。
その1
世界初なんではないか?(いや、あるんだろうな、きっと)
舞台セットを工夫して「居間」と「前庭」の2つが1つの舞台上に同居している。
メリットは暗転なく演じることができること、2カ所の出来事を同事に表現できること。デメリットは客がぼんやりしているとどこの話か分からなくなる危険性があること。実際にはその話題展開がどこなのかは「照明」「立ち位置」「大道具」の工夫で戸惑うことはなく、しかも「メイドさんの記憶」をベースに物語りを進めるということになっているので、人間の記憶の実際はこんな感じなんだろうということを実感する。
実際自分も歳をとってきて、この記憶の混同感、つじつまのおかしさというのにはとても共感を持ってしまっている。

その2
ということで、その100年をどのように表現するのか、時計の針は進んだり、戻ったり、実際人間の記憶の多くは「時系列」が都合がいい。が、何かを思い出して語る場合に必ずしも時系列の通りだとは限らなくて、概ね時系列、ときどき前後する。この断片化した物語にはなんとも素晴らしい。

その3
多分、「100年の孤独」をフィーチャリングしたんだとは思うけど、観終わって思い出したのは「1900年」だった。いや、いい舞台ってのは一本そびえ立っているとは限らなくて、いくつもの物語が糸のように紡がれているうちの一本をそっとのぞき見するそんな感じになるのかもしれない。

「すごいな」
というのが観ているときに思った感想
「案外小さい話だな」
と思ったのが終わって呑み屋に座ったときの感想
「語るに難しい壮大な話だな」
というのがことばにしようとしたときの感想
で、一晩だって、まだよくわからないところがあります。
(全編観れば、わからなくていいところを除いて、理解できないことは何もない)
いえ、舞台セット、物語の時計が進んだり戻ったり、その辺にかくも見事な仕組みがあることに感動。そして、純愛(ってことでいいんでしょうね)、すれ違いの恋、いわゆる「病気」とでもいったらいいのか性癖、この辺が見事に表現されていて、それがどういうことなんだろう、100年の秘密は「悲劇」なのか、人生とはそういうものなのか、なんてことをフと我が事と照らし合わせてわからなくなってしまっています。死ぬ時に分かることなんだとは思うのですが。いや、そこでもわからないのか、すると永遠の謎になってしまうなぁとも。

あと、長塚圭史の芝居で、出演者が舞台袖(見えるところ)に椅子を置いて、出番でないときに、そこで演劇を観ているという不思議な演出があった。今回の「メイド」が物語を見守る様をみて、なんとなくその「必然性」なるものが見えてきた。

5月19日、中央線が工事のため国分寺から吉祥寺までドキドキしながら移動した。武蔵小金井ー東小金井が折り返し運転になっていて、想定しない駅で大量の乗客が乗降した。なるほど、ターミナルってのはそういう乗降のための「システム」がしっかりしているということなんだ。「慣れ」というものも含めて。
下北沢に異常に若者が多いのも気になった。何かお祭りでもあったのだろうか?

スケベの話

2010年度サンモールスタジオ
最優秀団体賞受賞記念講演
ブルドッキングヘッドロックvol.22
女々しくてシリーズ
スケベの話
バットとボール編
http://www.bull-japan.com/stage/sukebe/

11名の役者が舞台一杯に登場する。
話は甲子園の話だけど、甲子園は出てこない。
甲子園の試合前夜までの3日間の話。

観に行ったのは
はるさんが絶賛していたのと、佐藤みゆき(こゆび侍)が出ているのを見つけたから。谷賢一の「
ヌードマウス」でいい演技をしていた。ついつい当日券目当てで会場に行った。

あっという間の2時間20分だった。
高校時代の甘酸っぱいなにやらが見られた。

大川役の河村紗也(競泳水着)もよかった。
9人の野球部員もいい。

作・演出:喜安浩平
ということだけど、ナイロン100℃とはあたりまえだけど違うテイストでありながら、ちょっと似た感じもある。
設定が細かいというところがナイロンっぽかった。
作りそのものは「元禄忠臣蔵」を思い出す(元禄忠臣蔵はいわゆる「討ち入りシーン」がない。打ち入りまでの話と、討ち入り後の話がちょっとということになっている)というか、肝心のところは描かない。いや、大事なところはその本番前だよということを語っているのであろう。そういう芝居とか、映画とか、表現するものは私は好きだ。映画でいうと「地獄の黙示録」の最後の炎上シーンのないコッポラ版とかってことだ。
で、この演出は流石だと感心した。満足した。実は、予想としては、試合のシーンは「暗黒でナレーション・音」だけであっさり終わるってのも期待していたけど、そうすると谷賢一のパクリになってしまうから、それはやらないのが正解だとも思った。

セイなる夜編
次回作
気になる・・・。

持ち主、登場

ナイロン100℃ side SESSION #11
作・演出・出演:大倉孝二、峯村リエ、村岡希美、KENTARO!!、ブルースカイ
声だけ:生瀬勝久

うっかり買って見てしまった。
思い出したのは、竹中直人の会とか、中島らもの「桃天紅」とか、プロペラ犬「ネガヒーロー」とか、役者がやりたいとこういうことになるのか・・・。というような苦々しい思いもありながら、無事1時間50分は終わった。
そりゃもう、大倉孝二と峯村リエと村岡希美を見たくて行っているわけだからそう、細かいところは文句言うことはない。
最後に出てきた娘がかわいいくてよかった。
最後の「ベンチ」のシーンはシュールでいいんだけど、その必然性が薄いのがちょっとご愛敬だったり、あそこまで「古典」を入り交じらせながら「大化の改新」となって、話がとっちらかってしまうのは残念。そりゃ、大倉君ではなくて、藤原君だったら「なるほどぉ」となるわけだけど、こうなると殆ど妄想が病んでいるのか?というような状態で。
始めに出てきた「tomorrow」のオチが見えてこないあたりに、ちょっと不満がある。
文句がつい出てきてしまったけど、そりゃ、普段はあの完成度の「ナイロン100℃」の芝居をやる人たちなわけだから。
峯村リエの「えげつないヘアヌード写真」是非見てみたい。
とはいえ、#11はすごい。次回に期待という思いも強い。

で、シブゲキは座席がなんか変である。開演後に入場されるのはやっぱり勘弁してほしい。
3名ほど周りでうろうろされたが、ちょっと迷惑を越えて腹立たしい。

青春漂流記

劇団鹿殺し新春公演「青春漂流記
なんと、紀伊國屋ホールへ進出となった。
紀伊國屋ホールというと、つかこうへいが数々の芝居をやっていた場所だってのはきいたことがある。私はここ5年くらい芝居を見ているような新参者なので、そんな事情は知らないのだけど、このホールで演劇をやるってのは、とある人にとっては憧れであるとともに、目標なんだろうなと思ったりする。私がここで見たものというと、中村有志ワンマンショーと、大宮エリー、ヨーロッパ企画とか、そんなもんだったりする。

今回の客演は豪華で、
主役には高田聖子(劇団☆新感線の看板女優)
重要な脇役に、廣川三憲(NYLON100℃)、
村木仁(おにぎり)が出ている。
村木仁は劇団☆新感線に良く出ていたと思うんだけど、去年、座高円寺で「
おにぎり」という演劇ユニットを立ち上げて、すごい芝居をやってくれた。いのうえひでのりが小さい箱で小さい芝居の演出をやったってのも画期的だったと思っている。
話は戻って、この3人の客演のおかげで?
百千万(再演)以来の見たなかでは、鹿殺し「最高傑作」に出会えたと思っている。芝居には色々な要素があると思っていて「役者」「脚本」「舞台」「熱気」「完成度」「客席との一体感」みたいな沢山の要素があってのものなので、一概に何がいい、悪いってのはいいずらいのかもしれないけど、一言で言うと「実社会」と密接に関わっていて、バランスが良くてということである。

今回の舞台となったところは「
元町高架下」ここには2011年秋に「神戸ビエンナーレ」で訪れている。まさに、この芝居のとおり「復興の起爆」として現代美術を利用しようとしていた。


芝居は、フィンガー5なのか、ジャクソン5なのか、アイドルの栄枯盛衰と、夢に向かった挑戦と、歳の衰えと、世知辛い世の中との闘い、嫉妬と、夢を捨てないこと、そして、それを支援する人々の愛と友情と、日本的怪奇話が入り交じった秀作。
もし、まだ元町高架下商店街を知らない人はぜひ訪ねてほしい。

2012年の観劇計画

2011年には演劇を54本みたことになっている。
2011年の芝居の記録はこちら

2012年にやる芝居はよくわかっていないけど、
こんな芝居は見に行きたい。

劇団☆新感線
 シレンとラギ
 
http://www.shiren-to-ragi.com/index.html
 久々の中島かずき+いのうえひでのりによるいのうえ歌舞伎

劇団鹿殺し
ヨーロッパ企画
劇団本谷有希子
PPPP
ナイロン100℃
あたりははずさないでおきたい。

女体シェークスピアシリーズ
入江雅人
ムロツヨシ
シティボーイズ
も外せない。

葛河思潮社のシリーズがあるのならこれも見ておかねばならない。
猫のホテル(千葉雅子)もあるなら見てみたい気分。
谷賢一は天才だと思うので、彼の作・演出ががあるなら見てみたい。
劇団「国分寺大人倶楽部」なんかも見てみたい。
イキウメ
前川知大)も気になる。
青年団はどうしたものか。アゴラという空間は魅力的なんだけど。あまりその劇団を観に行ったことはない。
野田秀樹というか、NODA MAPもどうしたものか。

動物電気は時間があえば観に行きたいか?どうする?という感じだけど、ああいうのはやっぱり見続けることが大事そうだ。

今年の観劇ライフは「プロペラ犬」から始まる。
さてどんなことになるやら・・・。