muro式8
はやいもので、muro式はもう8回目。
10回目まではやるって、プロペラ犬のような決意だが、プロペラ犬はなかなか10回にはならない。
今回はどうやら、
ヤッツケっぽいのか、それとも終盤になって芝居が荒れたのか、
今までとはちょっと違う残念な感じがした。
3つの短編からなる。
第一話は3つのパラレルワールドが一つに・・・。
という話で、アフタートークで途中アドリブが多いことが判明。
雑なというところはアドリブなことがわかってちょっと安心した。
第二話は
ふじきみつ彦によるものだろう。
昔あったトンカツ屋の話を思い出した。
いい作品だった。
3人の芝居も良い感じ。
第三話は
まさに、上田誠の得意とする世界。
というか、3人が出逢った映画「サマータイムマシンブルース」を3人版にしたという感じで、
最後「暗転」で終わるのも流石。
暗転で・・・と終わるのは、「おいキミ、失格」でもあった気がするけど、それは置いておくことにして。
ぬるい毒
http://www.motoyayukiko.com/next_performance/
本谷ワールド大炸裂。
夏菜も好演。
池松壮亮はあれを23歳で演じられるとは恐ろしや。
目的というか、期待は河村紗也だったんだけど、夏菜の好演に◎。
さらに、本谷有希子の原点はこれなのか?、これは本谷有希子の話なのか?と錯覚するほどすごい迫力があった。
脚本・演出は2007年の映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」以来のタッグ、「桐島・・・」の監督の初舞台演出。
大体、映画監督が舞台やるとだらだらしちゃうけど、そんなこともなかった。
原作:本谷有希子
『ぬるい毒』(新潮社) ※野間文芸新人賞受賞作
脚本・演出:吉田大八
<出演>
夏菜 池松壮亮
板橋駿谷 札内幸太 新倉健太 高橋周平
石井 舞 一瀬麻衣子 井端珠里 川村紗也
青春漂流記
なんと、紀伊國屋ホールへ進出となった。
紀伊國屋ホールというと、つかこうへいが数々の芝居をやっていた場所だってのはきいたことがある。私はここ5年くらい芝居を見ているような新参者なので、そんな事情は知らないのだけど、このホールで演劇をやるってのは、とある人にとっては憧れであるとともに、目標なんだろうなと思ったりする。私がここで見たものというと、中村有志ワンマンショーと、大宮エリー、ヨーロッパ企画とか、そんなもんだったりする。
今回の客演は豪華で、
主役には高田聖子(劇団☆新感線の看板女優)
重要な脇役に、廣川三憲(NYLON100℃)、村木仁(おにぎり)が出ている。
村木仁は劇団☆新感線に良く出ていたと思うんだけど、去年、座高円寺で「おにぎり」という演劇ユニットを立ち上げて、すごい芝居をやってくれた。いのうえひでのりが小さい箱で小さい芝居の演出をやったってのも画期的だったと思っている。
話は戻って、この3人の客演のおかげで?百千万(再演)以来の見たなかでは、鹿殺し「最高傑作」に出会えたと思っている。芝居には色々な要素があると思っていて「役者」「脚本」「舞台」「熱気」「完成度」「客席との一体感」みたいな沢山の要素があってのものなので、一概に何がいい、悪いってのはいいずらいのかもしれないけど、一言で言うと「実社会」と密接に関わっていて、バランスが良くてということである。
今回の舞台となったところは「元町高架下」ここには2011年秋に「神戸ビエンナーレ」で訪れている。まさに、この芝居のとおり「復興の起爆」として現代美術を利用しようとしていた。
芝居は、フィンガー5なのか、ジャクソン5なのか、アイドルの栄枯盛衰と、夢に向かった挑戦と、歳の衰えと、世知辛い世の中との闘い、嫉妬と、夢を捨てないこと、そして、それを支援する人々の愛と友情と、日本的怪奇話が入り交じった秀作。
もし、まだ元町高架下商店街を知らない人はぜひ訪ねてほしい。