発情ジュリアスシーザー
女体シェークスピアシリーズ第三弾
「発情・ジュリアスシーザー」
うっかり、シャッフルまで見てしまった。
今までどうしても好きになれなかった七味まゆみのすごさが分かったり
相変わらずの岡田あがさの演技も感動だけど
やっぱり、深谷百梨香の捨て身の演技がいい。
初日にはどうやら、演出家が代演をしたようだ、それはそれで見てみたかった。
傷は浅いぞ
なんと、これを「岡山」でも上演するようだ。
この見事な主役っぷりにちょっと痺れた。
5年前の深谷友梨香を見てみたかった・・・。
・・と思っていたら「ワンダーランド」の劇評で
「谷賢一」が見事な文章をしたためていた
http://www.wonderlands.jp/archives/12333/trackback/
無差別
ここの芝居を見たのは初めて。
実は、中屋敷法仁がというか、「女体シェークスピア」シリーズは気になって見ている。
NODA MAPというか、「エッグ」で気がついたことがあった。大きいテーマを芝居にしないという今の日本の演劇事情に少々もどかしさを感じつつある今日、この頃。エッグと続けて無差別も「個人ではかかえきれないような大きなテーマ」を舞台上で展開してくれた。舞台の上では「何でもあり」ということをうまいこと表してくれた快心作だと思う。
テーマは「穢れ」に基づいた「差別」の話、障がいに対する差別の話、神となるモノの話、神への畏敬の念と神がヒトとなってしまった時代の話、信仰の対象が自然から概念へ、そして科学へと変遷する話。沢山のことを77分で表現してくれた。このネタで2時間やられるとやっぱり辛いだろうなと思った。
秀逸だったのは、1000年続いた「楠」の神が手のないモグラに倒され、モグラが神になり、
倒された楠は穢れた村人に切り取られ、天神により燃やされ、その楠の怨念はキノコの胞子となり、やがてキノコ雲、黒い雨となり・・・。
一方、モグラは望むべくして神になったのではなかったが、神として生き(続ける)のか、モグラとして一生を終えるのかを問いただされ、モグラとしての一生を選択する。
天神は1000年間恨み続けていることになった今の地位を悔やんでいる。
目の開かない踊り人は、祈るために踊ることを続ける。
これは物語の伏線で、
本編は、
狗殺しの兄と、殺生をしない・仏を掘る妹、その妹を母親と慕うメス犬の「3人」が展開する物語。
絶頂マクベス
第一弾は悩殺ハムレット
第三弾は発情ジュリアスシーザー
だそうだ(第一弾はシアタートラムで見た。ガールズナイトで大変なものも見てしまった)。
舞台は大道具を使うことなく、女優と照明プランだけで「マクベス」を90分で演じきる・・・。なかなかすごい。シェークスピアを知らない人は楽しめるのか?マニアには楽しめるのか?テキトーに知っている私には丁度いい感じ。しかし、会場が「男」ばかりなのが・・・。女子はガールズナイトに行くのだろうか?
主役の深谷由梨香は前作に続いての主役、メガネ姿がなんともいい。メガネ姿というと、スコットランド国王役の荻野友里がなんともかわいらしい女優なんだけど、すぐに殺されて出番がなくなって残念。
そして、なんといっても怪優・岡田あがさは圧巻だった。
http://kaki-kuu-kyaku.com/main/?page_id=555
アフタートークもなかなかよかった。中屋敷法仁の人柄、姿勢が見えていい感じだった。
予想外なことはあまり出てこなかったけど、贅沢なスタッフで「桃太郎」をやりたいという。水野美紀が1年ちかくかけて桃太郎を書いていたが、そういうものなのか?
七味まゆみという人がどういう人か今ひとつ分かっていないので、そこだけ違和感を感じた。
終わってから近所のつくね専門店で一杯。