獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)
イキウメはやっぱりイキウメである。
それは良くも悪くもということもあり、
これだけのテーマを扱えるのももはや、
野田秀樹・中屋敷法仁くらいではないのかと思う。
この芝居の謎は「デウス・エクス・マキナ」
隕石を見た者がかかる、「直径30メートル、高さ300メートルの柱」→「ドーパミンでまくり・固まり症状・幸せな死への序章」
80年姿を変えぬ「二階堂望」
ここに魅力が詰まっていながら、話の飛躍が良くも悪くもイキウメ。
プルーフ/証明
うっかりその公演を見落としていた。
こりっち舞台芸術の手塚さんのFBで知って慌てて見に行った。
4年前にこれをやっていたのか・・・。
凄い作品である。
手塚さんのFBにこんなコメントを。
既にこの段階で「谷賢一節」が出来上がっていたんだと感心した。
「モーリー・スゥィーニー」「ヌード・マウス」「ストレンジ・フルーツ」
「くろねこちゃんと・ベージュねこちゃん」「完全版人間失格」
「国道58号戦線異常なし」
今までこれだけの演出(作・演出)も含めてみたけど、
再演であることに驚きを禁じ得ない。
そして、主演女優の「百花亜希」の熱演に拍手。
中田顕史郎は「モナミザ」で見たことがあって、そういう俳優だと分かっていたので、
驚きはなかったけど、やっぱりいい(すごい)役者さんだ。
で、後半の別演出バージョンも気になって見に行くしかないと覚悟した・・・。
もうひとつのバージョンも見た・・・。
結論では床の仕上げ、舞台の全体の色意外は別格・・・。
酒とつまみ
OFF・OFFシアターに行くのは初めて
通常では選ばないだろう作品をつい見に行く。
作・演出が倉持裕
ナイロンの村岡希美、おにぎりの池谷のぶえ
その3人がなにをやるのか気になってみた。
まさかの仕掛けで、実は登場人物は5名。
あと3名は「見えない」「聞こえない」
でも「椅子」は動く。
階段の音は聞こえる。
どこまでが本気でどこからがギャグなのか。
私にとっては「ホラー」と感じた。
最高の2人芝居だと思った。
ストレンジ・フルーツ
ストレンジ・フルーツ
http://www.strange-fruits.jp
本当の意味は違うみたいなんだけど、
かなり刺激的な芝居になっていた。
どこからが「谷賢一」演出のなせる技なのか。
前回は「ラブリー・ベイベー」河西裕介(国分寺大人俱楽部)によるもの
上田誠(ヨーロッパ企画)によるもの
着実にちゃんとした芝居をちゃんとやるグローブ座にびっくりである。
そして、
これは「てごます」と評判の増田君目当ての観客がすごかった・・・。
away感一杯である。
こういうすごい話にジャニーズファンがついてくるということを「仕掛けている」人にも感心。
谷賢一がまた一歩階段を上ったそんな感じである。
「かな」の南沢奈央はあんなに細い体だとは思わなかった。
テレビではもっとぽっちゃりした感じだった。
深谷由梨香はいつも通り熱い演技。脇役としてはよかったかも。主役を食わない演技ができるんだとちょっとした発見。
おのれナポレオン
おのれナポレオン
http://www.geigeki.jp/performance/theater018/
ついぞチケットを買うことができなかった。
三谷幸喜の芝居にはつくづく縁が無い。
・チケットが買えない
・あまりに高いところで鑑賞できずに帰った
・都合が合わず8枚もチケットを買った挙げ句、半分しか見えない席で見た
・仕事で行けなかった
・・・・
今回も「チケットを買えなかった」
で
ライブビューイングを買った。
5月8日、シアターコクーンに向かう途中でびっくりするニュースを見た。
「天海祐希降板」
で、
「宮沢りえ」代演
・・・・
結局、5月9日のライブビューイングは中止・5月10日から4公演を宮沢りえが代演をつとめた。
以前で記憶にある代演
「鋼鉄番長」(劇団☆新感線)の橋本じゅん・池田成志の降板。
確か、1週間くらい休演の後再演、三宅弘樹が代演となって大幅に演出プランが変更となった(台詞をナレーションに変更など)
「発情・ジュリアスシーザー」(柿食う客)初日に代演を中屋敷法仁がつとめたそうな。2日目から役をズラして続行。
シャッフルデーでその話を知ってびっくり。
2日の稽古期間で舞台に立つのもすごいけど、すごいことがあったものだ。
関係者全員に敬意を表したい。
と同時に、演劇ってなんて怖いものなんだと感じた。
まさに「歯車」。歯が一つ欠けると舞台の幕は開かない。
8日のシアターコクーンでは、実はこのことが気になって仕方がなかった。
フジテレビの「めざましテレビ」で
11枚チケットを買った人の話
会場に来て知った人の話
などが出ていた。
楽日後の談話で、
三谷幸喜が「大幅に手を入れて2日で仕上がるものに改編したこと」1ヶ月稽古したものとは別とのコメント。
そう、でもこの4公演に立ち会えた人、天海祐希の公演を見られた人、それぞれ宝物だと思う。
フジテレビのこの件に関する報道姿勢には(ちょっと)感動した。軽部アナいい仕事したなと。
あかいくらやみ
「あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜」
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami.html
長塚圭史の時代劇、7年ぶりだそうで、そうなると前回見たのは「桜飛沫」ということなんだろう。
水野美紀・真木よう子が似た風貌だなぁと思って見ていたのを思い出す。
水戸というと納豆・梅・水戸芸術館・筑波山・・・
そうそう、徳川慶喜は水戸徳川だったかな・・・。
というところでこの物語は関係してくる。
丁度見に行く前の「ボクたちの時代」で白石加世子が南果歩に「かよちゃん」と呼ばれ、すごい迫力のある女優だと感心していたところ
すごい役で登場した。
そして、原田夏希が綺麗でよかった。
物語はなかなか・・・原作を一度さらったおかねばならない。
そして、史実も。
長塚圭史の作品は???
ということが実はままあったが、
「浮標」(藤谷美紀が綺麗だった)
「南部高速道路」(真木よう子・黒沢あすかがすごかった)
に次いでの3連続の◎。
原作・作・演出・出演
この4つをこなすってのはやっぱり限界があるのではないか?
原作があるものを舞台化する才能はすごいんだなぁと感心。
で、例によって舞台はとても綺麗。
この綺麗な舞台ってのはそうそうできるものではなくて、ついつい「かきわり」歌舞伎調なものになりがちな日本の舞台で気持ちいい。
原作は「魔群の通過 天狗党叙事詩」山田風太郎(ちくま文庫)