殺風景
シアターコクーンは25年・・・・。
初めてBunkamuraに行ったのは
バイロイト引っ越し公演「タンホイザー」だった。
で、
この赤堀雅秋
役者として何度となく見ていた気がする。
今回の芝居は
MIWAを思い出すやら、人生劇場を思い出すやら、シダの群れを思い出すやら。
江口のり子がいい女に見えてくるようではかなりのすご技ということなのか、
私が弱ってきたのか。
こんな(素晴らしい)劇場が25年存続していることに拍手。
かもめ
http://www.siscompany.com/kamome/index.htm
生田斗真・蒼井優も好演。
大竹しのぶの迫力にはびっくり。
実は、終わるまでケラ演出ということを気がついていなかった私。
ケラの芝居は日本モノでもロシアっぽいから。そんなもんなわけで。
4幕の喜劇ということらしいが、こんな悲劇を喜劇と言い切る皮肉もすごいし、
最後のシーンで、ローエングリンの前奏曲が・・・。あれはなんで?
ポスター・チラシの映像がないのがなんとも奇異。
あかいくらやみ
「あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜」
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami.html
長塚圭史の時代劇、7年ぶりだそうで、そうなると前回見たのは「桜飛沫」ということなんだろう。
水野美紀・真木よう子が似た風貌だなぁと思って見ていたのを思い出す。
水戸というと納豆・梅・水戸芸術館・筑波山・・・
そうそう、徳川慶喜は水戸徳川だったかな・・・。
というところでこの物語は関係してくる。
丁度見に行く前の「ボクたちの時代」で白石加世子が南果歩に「かよちゃん」と呼ばれ、すごい迫力のある女優だと感心していたところ
すごい役で登場した。
そして、原田夏希が綺麗でよかった。
物語はなかなか・・・原作を一度さらったおかねばならない。
そして、史実も。
長塚圭史の作品は???
ということが実はままあったが、
「浮標」(藤谷美紀が綺麗だった)
「南部高速道路」(真木よう子・黒沢あすかがすごかった)
に次いでの3連続の◎。
原作・作・演出・出演
この4つをこなすってのはやっぱり限界があるのではないか?
原作があるものを舞台化する才能はすごいんだなぁと感心。
で、例によって舞台はとても綺麗。
この綺麗な舞台ってのはそうそうできるものではなくて、ついつい「かきわり」歌舞伎調なものになりがちな日本の舞台で気持ちいい。
原作は「魔群の通過 天狗党叙事詩」山田風太郎(ちくま文庫)
祈りと怪物
シアターコクーン
ケラ演出版と蜷川演出版がある
4時間10分の一大巨編
夏帆の体当たり演技にグッときた
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_inorininagawa.html
天日坊
初めて見た。
歌舞伎そのものは3回くらい見にいった。
「元禄忠臣蔵」
「野田版鼠小僧」
「大江戸りびんぐでっど」
で、私にとっての最高傑作はやっぱり「大江戸りびんぐでっど」で、今回見たのは、そう、宮藤官九郎が脚本を担当しているから。
やっぱり歌舞伎。
2週前には「TheBee」の75分芝居を見ただけに、3時間20分の長編はやっぱり疲れた。
「俺は誰だ」
これはまさに、私も自問自答している。よく、他人にも「あなたは何者なんですか?」みたいな質問をされることがある。一体、私をどう見ているのか、じっくりお伺いしたいけど、本気で話をしてくれることはないんだろうし、そこまで見てくれている人もいないだろうと思う。
で、井上歌舞伎と比べちゃ失礼なんだろうけど、
やっぱり比べてしまう。
歌舞伎役者は「タメ」が巧い。
トランペットの生音でないのは残念(PA使っているんですね。当たり前ではあるけど)
で、やっぱり、女優が出ている芝居がいいやという結論。
(もちろん、充分な満足はしている)
しかし、この演目は明治時代以来、上演されていなかった。なんでなんだろう。かなり良かった。どうやらオリジナルの脚本はかなり複雑怪奇になっていたようで、今回「いい」と思ったのは現代風アレンジによるものなんだろう。
シダの群れ—純情巡礼編—
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_shida/index.html
2010年に第一弾があって
あらかたの人は死んでしまった筈なんだけど・・・。
そっか、続編ということである。
堤真一と松雪泰子という組み合わせは「ガリレオ―容疑者Xの献身」を思い出してしまう。もちろん、あの薄幸そうな松雪泰子にぐっと来たわけだけど、今回は「岩松了ワールド」を堪能しにシアターコクーンに戻ってきたそんな感じだ。
シアターコクーンは改装していて、ここで芝居を見るのは久しぶりな感じ。パルコ劇場とも下北沢の劇場とも、新国立劇場とも違う雰囲気がある。ちょっと似ているのはシアタークリエなのかもしれない。特に、今回は「獣匂」の香水があちこりに・・・。そんな観劇は初めてだ(年齢を重ねた女子が多いということなんだと勝手に想像している)。
今回の芝居だけでも楽しめるっていうことがどこかに書いてあった気がするけど、第1回を知らないと重要なことが見えなくなってしまうそんな感じがする。
第三話があるとすると、風間杜夫が車椅子で出てくる、阿部サダヲがでっかくなって出てくる、荒川良々が片手ないか何かで出てくるあたりから、堤真一と松雪泰子を巡る色恋沙汰と小池徹平の愛情の裏返しの敵討ちみたいな・・・。それは楽しみだ。なんか、そういう大河ドラマチックなものに惹かれるのが人生ってことなのかもしれない。
ヤクザ映画ってのはゴッドファーザーくらいしか見たことなくて、たまたま、鷹の台駅前の本屋で「アナーキー日本映画史1959-1979」(洋泉社MOOK)を見てびっくりした。東映実録映画、松方弘樹の話を見て俄然興味が沸いてきた。なるほど、シェークスピア劇のような「嫉妬」と「裏切り」を表現する世界として歴史があるんだということがわかってきた。
あきらかに第3話を意識したかのエンディング。
しかし、この人の描く女というのは、なんか面倒な感じがキャラクターだ。
劇中に役者役で登場した役者荒川良々はでかいなぁと感心。