意地悪なCD

久しぶりにCDショップに行ってしまった。
しかも東武百貨店池袋店なわけで、大したものがあるわけではない。
目的は「シューベルトの『ザ・グレート』」が欲しかったから。
できれば、ムーティ指揮のものが欲しかった。

行ってみたら。

今聴いている曲がこれ
若杉弘指揮・ワーグナー管弦楽曲集

若杉弘には本当に色々な曲を教えてもらった。
オペラシティの蕎麦屋でとなりに来たときには思わず声かけたくなったけど、遠慮した。
初めて観に行ったコンサートは
若杉弘+ケルン放送響で「ブラームスの一番」
姉が連れて行ってくれた。NHKホールだった。

1988年3月に東京文化会館で東京都交響楽団のブルックナー8番を聴いた。
第三楽章で大きな地震があったが、演奏は止まることがなかった。
都響・N響のマーラーシリーズ・ブルックナーシリーズ・ワーグナーシリーズは行った。
若杉弘のオペラは唯一「ローエングリン」
最後に聴いたのはびわ湖ホールのヴェルディの「レクイエム」
だと記憶している。

とても意地悪なことに、
隣には都響+朝比奈隆のCDが並んでいた。
きりがないんで「ブルックナー五番」を買った。
ブラームスの1番も買った。


本当に買いたかったムーティ版は見つからず
ジョージ・セル×クリーブランド管弦楽団


Fontecの
シューベルト交響曲第九番「グレイト」
シューベルト交響曲第8番「未完成」+ワーグナー「前奏曲と聖金曜日の音楽」
を買った。
と思ったら、
大植英次+大フィルの
ショスタコーヴィチ交響曲第七番「レニングラード」
が・・・・。
ということで、
そう。Amazonへのリンクがないのは「Amazon」では売っていない。
見つからない。
CDショップに行かないと気がつかないってことだ。

こんなことがあるのが世の中の奇跡なんだろう。


マーラーの「復活」

今日のNHK交響楽団Aプログラム定期演奏会


マーラー交響曲第二番「復活」
人生で生演奏の「復活」は(多分)4回目。

1
回目、読売日響×マゼール(東京文化)大満足。2回目都響+若杉弘マーラーシリーズ(サントリーホール)、圧巻だった。3回目、大フィル+朝比奈隆(誕生日記念コンサート)これは人生のコンサートベスト3の一つ。4回目が今回・・・。

やっぱり「復活」はいい。すごい。外れがない。
(って、そりゃ「あれだけの大仕掛け」なら感動するのは当然なんだろうけど)

後ろの席の親子(母娘?)はどうやら定期会員のような、その二人、開演直前までお喋りをするのは仕方ないとして、お母さんは始まると同時に爆睡。この曲で寝られるのはある意味羨ましい豪傑だ。
第五楽章になって「バンダ」が・・・私は2階席だったんだけど、L側客席とロビーを分ける扉がそっと開いた。R側は空いたのかと思って身を乗り出したけど、開いているようには見えなかった。流れて来た・・・。舞台裏でもなく、2Fロビー左右からの「天の声」が届いた。バンダが登場するたびに「扉」がそっと開くその「霊気」はちょっとすごかった。確かに開演前に、ロビーにパーカッションが置かれていたのが「???」と記憶していた。
(終わってから会員席を案内しているスタッフに「すいません。バンダはどこで吹いていたんですか」と尋ねたところ「2Fロビーの左右でした」とのことでした。ついでに「いつもそうなんですか?」と訊いたら「指揮者によって変わります。舞台裏、3F席後ろ、色々あります」とのことで、そりゃ、東京文化会館の5F席から吹いた小澤征爾の伝説は・・・とは言えなかった)

話をもどして、そして、合唱・・・。そーっと入ってくる。
3回ほど「嗚咽」の声を出しそうになっていたのは妻にバレたようだった。

カーテンコールは少なめ(3回かな?)だったんだけど、団員(マロさんが挨拶をして団員は解散となった)がはけてから、合唱団が退場するところで拍手は再び始まり、合唱団員が全員退場するまで、そして、退場しても拍手は続いた。
合唱団が退場しても拍手がやまないんで、
パーヴォ・ヤルヴィももう
1回出てきてくれた。
(今回は東京音大の皆さん、いや、確かに・・・合唱良かった)

なんだかんだいって、ソプラノが全部もっていってしまう名曲。
一生にそんな何度も聴けない曲だろう。
(多分、ブルックナーの方が多いな・・・。当然なんだろうけど)

3.11のマーラー

3.11のマーラー
http://www.njp.or.jp/archives/5634
105人の聴衆のために演奏されたマーラー5番

http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20120308dde012200009000c.html
http://rn.oricon.co.jp/news/rankingnews/2007408/full/

1988年だったか、都響+若杉弘で「ブルックナー8番」を東京文化会館で聴いた。そのときには東京都で震度4くらいの比較的大きな地震があった。まさに、第3楽章だったと思う。客席からは「うわぁー」みたいな声も出ていたが、演奏は止まらなかった。福沢諭吉が大砲の音のする中で授業を続けたと言う話を思い出しかし、演奏を続けたという後日談を読んだ。若杉弘は慶應義塾出身だから、そうなんだ・・・と思った。
しかし、このドキュメンタリーはちょっと違う。はるかにそれを上回る「魂」を感じた。
必見の番組だ。

見た感想は・・・。
団員、指揮者の思いというのも紹介されていたが、この会場に来た「観客」にちょっとした感動を覚えた。「不謹慎」とか「こんな時に」ということと闘ってというようなことなんだろうけど、その会場の体験を今まで語ることがなかった人、2時間半かけて歩いてきた人、1800人の会場に100人くらいしかいなかったわけだから、音響は全然違うものになっていたと思う。演奏者も特別な思いで演奏したわけだし、一生に一度の経験(思い出)となったことは間違いない。しかし、3.11に対する思いを表現する最適な音楽であることは確かで、第一楽章の葬送行進曲、そして、冒頭のトランペット、第二楽章の荒々しい雰囲気、第四楽章のアダージョ(アダージェット)楽章、別名愛の楽章と言われるあのメロディは深く心を静めてくれる。そして、復活に向けた第五楽章のフィナーレで元気を取り戻す。この1年間の思いが70分に凝縮された感じである。そんな物語を交響曲に求めるのは本当は間違っているのだとは思うけど、そういうイメージがついてしまったので、仕方ない。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-03-10&ch=21&eid=495

こんな話も見つかった。
http://blog.livedoor.jp/mariko_yamamoto/archives/5087032.html
なんと、その日には日本フィルも演奏会をやっていたんだ。
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/news.cgi#540
70人の観客のために80名の団員が演奏したそうだ。プログラムはこれだったみたいだ。
 芥川也寸志:交響管絃楽のための音楽
 ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲(Vn:矢野玲子)
 プロコフィエフ:バレエ音楽《ロメオとジュリエット》より