新日本フィル

3.11のマーラー

3.11のマーラー
http://www.njp.or.jp/archives/5634
105人の聴衆のために演奏されたマーラー5番

http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20120308dde012200009000c.html
http://rn.oricon.co.jp/news/rankingnews/2007408/full/

1988年だったか、都響+若杉弘で「ブルックナー8番」を東京文化会館で聴いた。そのときには東京都で震度4くらいの比較的大きな地震があった。まさに、第3楽章だったと思う。客席からは「うわぁー」みたいな声も出ていたが、演奏は止まらなかった。福沢諭吉が大砲の音のする中で授業を続けたと言う話を思い出しかし、演奏を続けたという後日談を読んだ。若杉弘は慶應義塾出身だから、そうなんだ・・・と思った。
しかし、このドキュメンタリーはちょっと違う。はるかにそれを上回る「魂」を感じた。
必見の番組だ。

見た感想は・・・。
団員、指揮者の思いというのも紹介されていたが、この会場に来た「観客」にちょっとした感動を覚えた。「不謹慎」とか「こんな時に」ということと闘ってというようなことなんだろうけど、その会場の体験を今まで語ることがなかった人、2時間半かけて歩いてきた人、1800人の会場に100人くらいしかいなかったわけだから、音響は全然違うものになっていたと思う。演奏者も特別な思いで演奏したわけだし、一生に一度の経験(思い出)となったことは間違いない。しかし、3.11に対する思いを表現する最適な音楽であることは確かで、第一楽章の葬送行進曲、そして、冒頭のトランペット、第二楽章の荒々しい雰囲気、第四楽章のアダージョ(アダージェット)楽章、別名愛の楽章と言われるあのメロディは深く心を静めてくれる。そして、復活に向けた第五楽章のフィナーレで元気を取り戻す。この1年間の思いが70分に凝縮された感じである。そんな物語を交響曲に求めるのは本当は間違っているのだとは思うけど、そういうイメージがついてしまったので、仕方ない。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-03-10&ch=21&eid=495

こんな話も見つかった。
http://blog.livedoor.jp/mariko_yamamoto/archives/5087032.html
なんと、その日には日本フィルも演奏会をやっていたんだ。
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/news.cgi#540
70人の観客のために80名の団員が演奏したそうだ。プログラムはこれだったみたいだ。
 芥川也寸志:交響管絃楽のための音楽
 ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲(Vn:矢野玲子)
 プロコフィエフ:バレエ音楽《ロメオとジュリエット》より