ダヴィンチ

すべての僕が沸騰する 村山知義の宇宙

高松市美術館は2回目。
1回目は、せとうち芸術祭の森村泰昌の「まねぶ」展だった。
高松市の美術館だからと少々軽くあしらうつもりが、思った以上に力の入った展覧会。
美術の基本の「真似る」ということがどういうことなのかをよく知ることができる展覧会であった。
(この美術館のキュレーターによる快挙なのか、森村泰昌の構成力のなせる技なのかは分からなかった。ともあれ、森村泰昌の作品が何にインスパイアされて出来たモノなのか、何をオリジナルとして真似たのかということを大胆にも並べて展示までしてくれていた。これは国立国際美術館がリニューアルしたときにやったデュシャン展が横浜美術館へ巡回したときに、実はこの手法をとっていた。両方見ればいいんだけど、片方だけだと混乱するなぁと心配したものだった)。

ともあれ、今回のこの展覧会は完全に見落としていた。大チョンボっだった。
たまたま「琴電」に乗って朝風呂に入りに行っているときに見つけたのだった。
日本のダヴィンチと呼ばれた男・・・
これはこの人の人生を的確に表現するものではないことは明らかだ。
(というのは私がダヴィンチをよく知らないからなのか?)
回顧展の形にはなっているが、初期の影響を受けた人々の作品なども展示されたり、工夫がある。

見ての結論を言ってしまうのは失礼なんだろうけど、
・演劇
・装丁
で大きな仕事をなしとげたのは間違いない。
・絵本の仕事を最後までやっているところにはちょっと涙を誘う逸話がある

気になるのは装丁の仕事は「時代のトレンドに乗ったのか」「時代の先端を行き続けたのか」「渡独時の影響を一生引きずったのか」装丁知識があまりないので、ちょっと分からない。一つわかることは「字体」「文字組」はいわゆる「左翼」の人の多用する独特なバランスがあってそれに酷似している。それは村山知義氏が影響を与えたのか、そういう流派なのか、確認をしておきたいと思う。