思い出工学の心理学的基盤に関する検討

2016年4月21日公開
科学研究費助成データベース
「思い出工学の心理学的基盤に関する検討」
(2008-2010の野島久雄氏が科研費を受けて行った思い出工学関連の研究が公開されている)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20500238/

折り返し地点

2016年5月に野島久雄氏の納骨式が執り行われた。
2012年11月に行われたタイムカプセル開封式(2003年に行われたICCでタイムカプセルを作るワークショップの再会の儀式)が行われて、4年が過ぎた。2020年に再度開封式をやることになっている。
・・・
今年見た演劇に「遠野物語」を題材にした興味深い演劇があったこと、長塚圭史の10年前の演劇の再演があったことから、過去と未来について色々思い立つことがあったので、忘れてしまうから、書いておいて、後で思い出すことにする。

「遠野物語」(前川知大、世田谷パブリックシアター、2016年11月12日観劇)
あの不思議な伝承はなぜ記録されたのか、なぜ「史実」として語り継がれなかったのか。

「はたらくおとこ」(阿佐ヶ谷スパイダース20周年記念、本多劇場、2016年11月19日観劇)
10年前には「エネルギーに満ちた」演劇。それが時代に追い越されてしまうことがともするとある。

「話す側」「聞く側」
の文法がしっかりしている「落語」という形式に落とし込むことが、
一番いい「思い出」のパッケージング方法なのかな?と思ったのは、
「地獄八景亡者の戯れ」を桂雀々で見てからかもしれない。
あんなもん見せられた日には「冥土」に行くことも「楽しみ」になるってもので、死者を悲しんでばかりいないで、徐々に日常に戻っていく、葬儀の一式の儀式などがうまいこと「パッケージ化」されている気がしないでもない。ただ、いかんせん、一般人(自分ももちろんそちらである)は、人の話は聞かないし、話をすると無駄に長くなるし、支離滅裂になるもんだ。どうやってそれをまとめるのか。
いい方法の一つに「原稿用紙」なる書式があるのかもしれない。
与えられた時間は何分なのか。
そして、何枚で書くのか。
あ、そこで5枚以上の原稿を書くことは普通できたもんではないであろう。
1枚1分読むのに時間がかかって、
5枚で5分
10枚なら10分。
30枚でようやく30分。
すると、どれだけの分量の原稿を書けるようになればいいのか。
「序破急」なのか「起承転結」なのか「枕」と「サビ」なのか、いやいや、「枕」なんぞはそうそう用意できたもんではない。サビなんぞも「そうそう用意できたもんではない」。
勘違いして話の「さわり」だけでもいいから・・・なんて言うのは「さわり」は「聞かせどころ」であって、そこだけやってもうまくいくわけはない。
いや、
「うーん、いい火加減だ」(熱海殺人事件)
「許す」(はたらくおとこ)
「シカゴに海はない」(ラジオの時間)
そんな、一言で魅了してしまうすごいセリフがそういえば、もっとあったような気がする。
「よせやい、柄じゃねぇや」(髑髏城の七人)
・・・
なるほど、落語の「オチ」なるものはそこがうまいことできているわけだ。
「はい、こうしておりますと、時々猫が二両で売れます」(猫の茶碗)
「蜜柑1個で千両、一房で100両、ここにある3房で3百両・・・」(千両蜜柑)
「いや、やめとこう、また夢になるといけねぇ」(芝浜)
「よく考えて見ると、わしに姉はおらなかった」(松曳き)
・・・
シェイクスピアが400年を経て未だに愛される理由は、
言葉えらびなのか、物語の普遍性なのか、
なんだかよくわからない。
でも、確かに面白い。
中屋敷法仁の「女体シェイクスピア」みたいに端折ってもそれなりにわかるし、いい。
・・・
「タイムカプセル開封式(2012年)」
なんともすごい会になってしまったなと、思いかえしている2016年11月(4年が過ぎようとしている)。
詳しいことは敢えて訊かなかったが、当時そんな思いを持っていたんだとか、誤解したまま開封式に臨んだとか、10者10様だった。2020年に私が開封式に立ち会えているのならば、2012年の自分を「軽く笑い飛ばせる」のか「何も語れない」のか、少し楽しみな気分になってきた。

タイムカプセル開封式

タイムカプセル開封式のご案内
20121118日:約束の日タイムカプセル開封の日はまもなくです!


20031116日「未来の思い出を作るタイムカプセルをつくる」
NTTインターコミュニケーション・センター、オペラシティ)
ワークショップに参加した皆様へ

 大変ごぶさたしております。9年前に「ワークショップ」をICCで担当いたし
ました大和田龍夫と申します。9年後にどうなっているのか・・・当時から不安
でしたが、状況を簡単にご説明いたしますと、タイムカプセルを作る企画者でありました野島久雄さんは、その後、NTTを退職しまして、成城大学の先生となっておりました。
 野島先生は1118日の到来を楽しみにしていたのですが、201112月にお亡
くなりになりました。
 ワークショップの日からタイムカプセルは野島先生と共に移動し続け、現在
は、成城大学新垣紀子先生(当時のワークショップにも参加しておりまして、
思い出工学について研究をされている先生になります。同時期にNTTを退職し、
現在は成城大学の先生となっております)の研究室に保管されています。ということで、「開封式」は諸々検討を重ねたのですが「成城大学」にて開催することにいたしました。今回の開封式は10:00〜開催とさせていただきます(午後には関連企画としてシンポジウムの開催を計画しております)。
 このお手紙が皆様の元に届きますことをお祈りしつつ、皆様の近況ならびに、1118日の参加可否についてお返事いただきますようお願い申し上げます。


「タイムカプセル開封式」
日時:20121118日(日)10:0012:00(予定)
13:0017:00関連シンポジウムを予定しております)
会場:成城大学  (小田急線成城学園下車徒歩3分)

以上

平成24年9月3日
実行委員会
委員長 成城大学教授 新垣紀子
委員 NTT研究所 高田敏弘 北端美紀 松岡裕人
   桜美林大学 折戸朗子
   NTTレゾナント 望月崇由 大和田龍夫
dr@tokinokikai.jp



尚、関連企画として
午後にシンポジウムを予定しております。
詳しくは下記をご覧ください。
http://tokinokikai.jp/symposium/index.html

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020-4623-4110

dr@tokinokikai.jp
タイムカプセル開封式実行委員会


タイムカプセル開封式に関する回答書



11月18日(日)

10:00〜のタイムカプセル開封式に

参加する 欠席する



タイムカプセルの中のものについて

返却希望  そのまま処分してほしい  その他
(開封式に出席できない方は引き取り方法をお教えください)


お名前
連絡先
メールアドレス

近況などお書きください




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コンタクト状況(3)

10月8日現在

郵便が戻ってきた人
かむろ まさこ

大野 美樹

郵便が戻ってこない&返事のない人
望月 翔子

内田 紗織
小池 直美

連絡をいただいた方
北口 美紗
仲澤 真里

川島 雅貴
広瀬 太郎
田中 頼人
後藤 祐治
敷島 典枝

コンタクト状況(2)

9月26日現在

郵便が戻ってきた人
かむろ まさこ

大野 美樹

郵便が戻ってこない&返事のない人
望月 翔子

敷島 典枝
内田 紗織
小池 直美

連絡をいただいた方
北口 美紗
仲澤 真里

川島 雅貴
広瀬 太郎
田中 頼人
後藤 祐治

学習と対話研究分科会

  • 「思い出工学とタイムカプセル」

  • 9年の時を経た「時の機械」の開封に向けて

  • 新垣紀子・北端美紀・松岡裕人・高田敏弘・折戸朗子・望月崇由・大和田龍夫

  • 熱い講演でした。
  • 11月18日が楽しみになってきました。
  • 原稿:
  • 発表資料:
  • 2012年7月14日
  • 日本認知科学会
  • 学習と対話研究分科会
  • 学習と対話Vol.2012,NO.2(SIGLAL 2012-2) P7-13
  • http://www.jaist.ac.jp/~j-morita/SIGLAL47.html